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ご挨拶

 痛みのリハビリ研究所のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。 現代医療が日進月歩している中、依然として痛みで苦しんでいる方々が大勢います。 腰痛にしても、実はその原因の85パーセントは分かっていません。(2012年に日本整形外科医学会においても認めている) 原因が分かっている腰痛には、骨折(背骨の圧迫骨折や肋骨骨折など)や尿管結石、がんなどの内臓からくる痛みなどがあります。それ以外はまだよくわかっていないのが現状です。 整形外科では、画像所見(レントゲン MRIなど)を重視した説明をされることが多いと思います。結果、椎間板ヘルニア 脊柱管狭窄症 すべり症などの病名を宣告され、ショックと同時に手術の選択肢が頭をよぎるようになる患者さんもいると思われます。(日本の医療保険制度では診断がつかないと保険が使えないので便宜上の診断名をつけることもあります) 例えば、腰が痛くて、休み休みでないと長く歩けないという症状(間歇性はこう)で患者さんが診察に来られたとします。まず整形外科医は脊柱管狭窄症を疑うでしょう。もしMRI上に、脊柱管の狭い箇所が見つかるとなると”脊柱管狭窄症”の診断名がつけるケースが多くなります。しかしこの流れは疑うべきなのです。なぜならば脊柱管狭窄症やヘルニアなどの画像所見は、あくまでも構造上の問題であり、痛みとの因果関係はまだ解明されていないのが現状です。もしヘルニアで神経が圧迫されたり、脊柱管が狭くなって脊髄が障害を受けていたとしたら、具体的には神経ならびに脊髄の症状(神経脱落症状)を必ず伴います。 神経脱落症状とは、髄節レベルにマッチした感覚麻痺や運動麻痺が起こる症状のことで、痛みや痺れとは関係ありません。 痺れは、神経の問題と認識している方が多いと思われますが、臨床で遭遇する痺れは麻痺を伴っていないことが多く、専門的には感覚異常といわれ、神経脱落症状ではありません。逆におしっこや便などの排泄に問題が起こる症状(膀胱直腸障害)や画像で神経を圧迫している髄節レベルでの感覚や運動の麻痺(神経脱落症状)がある場合は、狭窄症やヘルニアが原因の可能性が高いと考えられます。しかし臨床では、痛み-しびれを訴える患者さんで神経脱落症状を伴っている方は少ないのが現状なのです。
当研究所では、痛みや痺れなどの症状は、画像で診られる構造上の問題よりも、機能上の問題と密接に関連していると考えています。その中でも関節の機能(特に仙腸関節)に注目しています。 また筋膜・靭帯・関節包などのFascia(結合織)の動き‣機能も超音波画像装置などで評価していきます。
難治性疼痛疾患(CRPSや繊維筋痛症など)は自律神経や脳(中枢)の機能と多く関与していることが示唆されています。 このように難治性の慢性的な痛みや痺れには、自律神経の問題が多かれ少なかれ影響していると考えています。

そのような視点に立ち、現在でもまだ解明されていない痛みや痺れなどの不快な症状の治療と研究に今後も取り組んでいく所存でございます。

所長 松尾剛